映画「すばらしき世界」

 この10月に、旭川市で弁護士会の大会が開催されたのですが、その企画の一つに、映画「すばらしき世界」の上映がありました。

 

 「すばらしき世界」は2021年公開の映画で、西川美和さんが脚本・監督、役所広司さんが主演を務めます。

 あらすじは、人生の大半を刑務所で過ごしてきた元組員の三上が、服役していた旭川刑務所から出所するところから始まります。

 三上は、元弁護人の助言を得ながら再起を図ろうとしますが、「元ヤクザ」、「前科者」である彼は、その直情的な性格も相まって、中々社会に溶け込むことができません。元受刑者が、社会でやり直しを図ることの困難さ、「生きづらさ」が、彼を番組で取り上げたい売れないテレビディレクター、生活保護のケースワーカー、三上を万引き犯と誤解したスーパーマーケットの店長らとの交流を通して描かれています。

 

 この映画は、佐木隆三さんの「身分帳」という作品が原案となっているのですが、「身分帳」は、実際の事件や旭川の弁護士がモデルとなっています。

 

 この映画については、弁護士として既視感のあるシーンも多く、残酷な現実が、とてもリアルに描かれていると感じました。また、役所広司さん、長澤まさみさんら俳優陣の演技もとても素晴らしいものでした。

 

 映画のタイトルについては、この世界は本当に素晴らしいと言えるのかという問いかけと、それでもなお、素晴らしいものと信じたいという想いを感じました。

 役所広司さんは、周防正行監督による「それでもボクはやってない」では弁護人役を演じていました。こちらの映画も大変おすすめです。